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「警察犬」のトレーニングについて

「警察犬」と聞くと、精悍な顔つきや凛とした立ち姿、機敏な行動をイメージする人も多いのではないでしょうか? そんな「警察犬」の姿はドラマや映画でもよく見かけますが、もちろん、現実の社会でも、「警察犬」はわたしたちのために日々活躍しています※1

では、そうした「警察犬」は、どのようなトレーニングを行なっているのでしょうか?

①「警察犬」はどんなトレーニングをするの?

「警察犬」のトレーニングは、「直轄警察犬」の場合は各都道府県の警察が行ない、「嘱託警察犬」の場合は民間の訓練所が行ないます。そのため、トレーニング法は各機関によって異なっていますが、ここでは、警視庁の「警察犬」トレーニングを紹介します※2

警視庁では、血統などを考慮した上で民間から犬を購入し、最初の3か月間は「排便のトレーニング」や「持来欲※3や集中力を育成するトレーニング」を行ないます。この期間を通じて、トレーナーは担当する犬との信頼関係を築きながら、その犬の「警察犬」としての適性を判断します。

6か月経ち、「警察犬」としての適性があると判断された犬は、続いて「服従訓練」が行われます。「服従訓練」では、主に以下のような訓練をします※4

(a)「停座」:「スワレ」の合図で、犬を正面や横に座らせるトレーニング※5
(b)「伏臥」:「フセ」の状態で、長時間でも待てるようにするトレーニング
(c)「脚側行進」:横について、歩速を合わせて歩くようにするトレーニング
(d)「休止」:「マテ」の状態で、解除の合図があるまで動かないようにするトレーニング
(e)「招呼」:呼んだらすぐに来るようにするトレーニング
(f)「立止」:その場から動くことなく立ち上がり、そのまま待つことができるようにするトレーニング
(g)「障害飛越」:合図によって走ったり、障害物を飛び越えたりできるようにするトレーニング

「服従訓練」が終わると、より高度な「足跡追求訓練」や「臭気選別訓練」など、より高度な訓練が行われます※6

また、徐々にそれぞれの犬の能力や特性に合った応用訓練も行なわれるようになります。そして、こうしたトレーニングが約18か月行われた後、「上級検定」に合格した犬が「警察犬」として活動するようになるのです※7

② 「警察犬」のトレーナーになるためには?

「直轄警察犬」のトレーナーになるには、まず警察官採用試験に合格して「警察官」となり、鑑識課に所属する必要があります。しかし、どの部署に所属するかということは実際に配属されるまでは分かりませんし、また、配属された場合でも、数年後に異動となる可能性もあります。

「嘱託警察犬」のトレーナーの場合は、まず民間の訓練所に入所して3~5年間学び、「公認訓練士」の資格を取得する必要があります 。そうした訓練所では、卒業生を「見習いトレーナー」として雇い、住み込みとして働きながら技術や経験を積めるようにサポートするのが一般的になっています。

「直轄警察犬」の場合も、「嘱託警察犬」の場合も、一人前のトレーナーになるまでの道のりは、心身ともに実に厳しいものです。しかし、そんな困難を乗り越えながら、日々のトレーニングを地道に積み重ねていくことで、犬の能力を最大限に活かした優秀な「警察犬」を育てるトレーナーになることができるのです。

※1 2013年7月14日、京都府警は、4月に起きた米国ボストンマラソンの爆破テロを考慮し、「祇園祭」に初めて「警察犬」を雑踏警備のために出動させました。17日の山鉾巡行当日までの4日間、とくに爆発物探知の能力に優れた京都府の「嘱託 警察犬」の数頭が、繁華街の警戒任務を担いました

※2 警視庁のウェブサイトでは、トレーニングの様子が写真や動画で紹介されています:
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/welcome/dog/kunren/kunren.htm

※3 犬は、本能的に「獲物を巣に持って帰る」ことを欲しますが、そうした「モノを持って自分の場所へ帰ろうとする欲求」のことを「持来欲」と言います。

※4 日本訓練士養成学校教頭の藤井聡さんは、犬の「服従訓練」には、“3つのしつけ”―リーダーウォーク・ホールドスティル&マズルコントロール・タッチング―が不可欠であると主張しています。リーダーウォークでは、犬にリードをつけて歩き、犬が少しでも前へでたら、無言のまま、犬のほうを見ずに、向きを変えてUターンします。ホールドスティルでは、犬を背中から抱きかかえ、マズルコントロールでは、そのホールドスティルの状態から、左手で犬の胸を押さえ、右手でマズルを持ちます。タッチングでは、ホールドスティルの体勢から両前足を持って前に出してフセの体勢にし、それから横向きに寝かせて、鼻先、耳、足、尻尾などを優しく触ります。(『NHK「極める!」スペシャル 犬の力、もっと知りたい!』NHK出版、2011年)

※5 正面に座らせることを「正面停座」、横に座らせることを「脚側停座」と呼びます。

※6 「足跡追求訓練」は、人の足跡に残る僅かな臭気を手掛かりとして、歩いた方向や遺留品を探すトレーニングです。近年では、こうしたトレーニングが、認知症患者の徘徊行動、幼児の迷子、家出人などの捜索にも活用されています。「臭気選別訓練」は、色々な臭いを着けたモノを選別台の上に置き、犬にある臭い(容疑者の臭い)を嗅がせて、その臭いと同じモノを持って来るようにさせるトレーニングです。より高度になると、「ゼロ回答選別」(犬に嗅がせた臭いと同じモノが、選別台に無い状態)も行われます。

※7 トレーニングに18か月かかるということからも、「直轄警察犬」の育成や管理には、費用や労力が非常にかかることが窺えると思います。そのため、現在では、「直轄警察犬」のみで活動しているのは警視庁に限られており、他の道府県は「嘱託警察犬」の活動に依存しています。

※8 公益社団法人「日本警察犬協会」は、全国で164カ所の訓練所を公認訓練所として認めています:
http://www.policedog.or.jp/info2/ichiran.htm
また、一般社団法人「ジャパンケネルクラブ」は、全国で120カ所の訓練所を公認訓練所として認めています:
http://www.jkc.or.jp/modules/licenses/index.php?content_id=13
尚、こうした訓練所のなかには、「日本警察犬協会」と「ジャパンケネルクラブ」の両方から認可を受けている場合もあります。また、「公認訓練士」の資格は、「日本警察犬協会」、「ジャパンケネルクラブ」、「公益社団法人日本シェパード犬登録協会」の3つの団体が、それぞれの認定制度に従って試験を実施しています。

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