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「介助犬」について

「介助犬」のユーザーは、「肢体不自由により日常生活に著しい支障」のある方々です。※1「肢体不自由」とは、四肢や体幹の運動に関わる器官(神経、筋肉、骨、関節など)に障がいがあり、自立した生活を送ることが困難な状態のことです。

しかし、一言で「肢体不自由」と言っても、ユーザーの方々の障がいの箇所や程度は異なっています。
例えば、物を渡す場合なら、必ず右手で受け取る人、手のひらだけで受け取る人、親指と中指だけで受け取る人、手が変形しているので膝で受け取る人など、実に様々な方法があります。その為、「介助犬」は、それぞれのユーザーのニーズに合わせた“仕事”を行なうようにトレーニングされているのです。

①「介助犬」はどんな仕事をするの?

「介助犬」には、主に3種類の仕事があります※2

(a) 手指代償機能:手の届かないものを持ってくる/落としたものを拾う/探して持ってくる/ドアや引き出しの開閉/衣類の着脱介助/シャワーの温度を確かめる

(b) 環境代償機能: 姿勢や手足の位置を変える/起き上がったり、立ち上がったり、車イスに乗ったり、歩いたりするときの支持/荷物を運ぶ/車椅子を引く・押す/段差など、足場の悪い場所での車椅子の操作介助/エレベーター、エスカレーター、家族などを捜す/エレベーターや電気のスイッチを押す

(c) 緊急連絡手段の確保: 緊急時に電話を持ってくる/人を呼んでくる

「介助犬」は、「くわえる」「足で押す」「引っ張る」「運ぶ」といった基本的な動作を組み合わせたり、補助具を使ったりすることで、ユーザーの多様な日常的動作を介助することができます。また、「介助犬」が家の外で“仕事中”のときは、「介助犬」と記されたハーネス※3や首輪、「介助犬認定証」※4を身につけています。

② 「介助犬」ってどんな犬?

「聴導犬」と同じように、「介助犬」は犬種が限定されていません。動物保護管理センターや保健所などで保護された犬や、盲導犬としての適性がないとされた犬のなかから、“適性”を判断して候補犬が選ばれます。

現在、日本では、「介助犬」として最も多く活躍しているのは、ラブラドール・レトリバーです。というのも、「介助犬」の仕事には、起き上がるときの支持や車イスの移動、高い場所のスイッチ操作など、ある適度の体格や体力が必要な仕事もあるからです。しかし、そういった必要のない場合なら、小型犬でも「介助犬」になることができます。

では、「介助犬」にはどんな“適性”が必要なのでしょうか?国内初の介助犬グレーテルを育てた矢澤知枝さんは、著書のなかで「介助犬の向く性格」の7つの特徴を挙げています※5

1. 人と一緒に行動したり、同じ作業を行なうことが好き
2. 集中力があり、落ち着きがある
3. 自発的に行動するが、独立心が強すぎない
4. 攻撃性、警戒心がない
5. 雷などの突然の音や事柄に対して、怯えたり、過剰反応をしない
6. 他の動物に対して過剰に反応しない
7. 人間の声によく反応して、喜ぶ

このような適性に合った犬を、それぞれの長所に合った“仕事”ができるようにトレーニングすれば、犬にストレスや無理をさせることなく、立派な「介助犬」に育てることができるのです。

③ 「介助犬」はいつ誕生したの?

「介助犬」は、1975年に、ボニー・バーゲン博士Dr. Bonita(Bonnie) M. Berginが考案したと言われています。バーゲン博士は、アジアを旅行中に、ロバが身体障がい者の荷物を運ぶだけでなく、松葉杖のように歩行の補助をしている姿を見て、犬に介助のトレーニングをすることを思いついたそうです 。

日本で最初の「介助犬」は、1992年に千葉れい子さんがアメリカから連れて帰ってきたブルースです※7。国内で初めてトレーニングされた「介助犬」は、1995年に誕生しました。

当時、「介助犬協会」(現「日本介助犬協会 」※8)トレーナーだった矢澤知枝さんがトレーニングしたグレーデルです。

また、「介助犬」として非常に有名になったのは、木村佳友の「介助犬」として9年間活躍したシンシアです。シンシアは、1998年に毎日新聞社が「介助犬シンシア」という連載を始めたことがきっかけで、多くのメディアで取り上げられるようになり、「介助犬」の存在が世の中に広く知られるようになりました※9

※1 「身体障害者補助犬法」(2002年10月) 第1章第2条:
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H14/H14HO049.html
また、厚生労働省の2006年の調査(2008年報告)によると、現在、日本には約176万人の肢体不自由者の方々がいます:http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/shintai/06/dl/01_0001.pdf

※2「身体障害者補助犬法」で定められている介助犬の仕事は、以下のとおりです:
・物の拾い上げ及び運搬
・着脱衣の補助
・体位の変更、起立及び歩行の際の支持
・扉の開閉
・スイッチの操作
・緊急の場合における救助の要請 
・その他の肢体不自由を補う補助

※3 聴導犬のオレンジ、盲導犬の白や黄色といったハーネスのシンボルカラーは、介助犬にはありません。

※4 補助犬のユーザーは、認定証(盲導犬の場合は使用者証)が義務づけられています。
また、公衆衛生上の安全性を証明する「身体障害者補助犬健康管理手帳」などの健康管理記録も携帯しています:
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H14/H14F19001000127.html

※5 矢澤知枝著『犬にはわかる 介助犬トレーニング―犬と心のキャッチボール―』(誠文堂新光社、2004年)

※6 バーゲン博士は、現在、Bergin University of Canine Studies(旧Bonnie Bergin Assistance Dogs Institute)の学長であり、アメリカ国内にとどまらず、カナダ、ヨーロッパ、日本など、世界中で講演活動を行うことで、介助犬の普及と啓蒙のために尽力されています。バーゲン博士のより詳しい活動については、Bergin University of Canine Studiesのウェブサイトで知ることができます:
http://www.berginu.edu/PDFs/DrBergin_Bio.pdf

※7 綾野まさる『ありがとう!介助犬ブルース: 日本初の介助犬と暮らした千葉れい子物語』(ハート出版、1997年)
千葉れい子さんは、生後9か月で小児麻痺になった為、手足をほとんど動かすことができませんでした。そんな千葉さんが、1991年、テレビでアメリカに「介助犬」がいることを知ると、「自分も介助犬と生活したい」という思いから渡米しました。 そして、フィラデルフィアの介助犬育成団体でブルース(チェサピークベイ・レトリーバー)と出会ったのです。
帰国後、千葉さんはブルースと3年半一緒に生活しましたが、ブルースが体調を崩したため、帰国させることを決意しました。そして、ブルースが帰国してから3年後の1998年、千葉さんは「トータルケア・アシスタントドッグセンター」を設立し、現在も当団体の代表として、「介助犬」の育成と普及に励まれています。

※8 社会福祉法人 日本介助犬協会:http://s-dog.or.jp/publics/index/

※9 木村佳友、毎日新聞阪神支局取材班著『介助犬シンシア』(新潮社、2003年)木村さんとシンシアは、9年間で364回、日本中で講演活動を行なったそうです。そんな木村さんとシンシアは、学校の教科書やテレビドラマの題材にもなっています。

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